中村昌宏の和菓子話

中村昌宏が気ままに和菓子について書いていこうと思っております。東京(五反田,高輪など)の懐石料理店にて修行後、和菓子職人に。

中村昌宏が紹介する高輪の和菓子玉川屋惣八:柏餅ならこのお店!

友人と泉岳寺に行くことになり、その帰りに美味しそうな和菓子屋さんを見つけました。高輪にある玉川屋惣八という和菓子屋さんでした。店の外には柏餅の文字が並び、季節を感じながら柏餅を食べたいという思いに駆られ、和菓子に目がない友人と私は早速店内に入ってみました。でも残念ながら入った時間がすでに遅かったためか柏餅も他の和菓子もほとんど売り切れてしまっていました。

後日改めて高輪に行って玉川屋惣八の開店と同時に店内に入りました。柏餅を見つけてすぐに購入しました。五月の新緑が気持ち良い季節に高輪で見つけた公園に入ると、持参した緑茶と一緒に頂きました。柏の香りがとても良くて、ずっと嗅いでいたいそんな気分でした。

柏餅を一口食べると、甘さを抑えた小豆そのものの甘さを味わうことができる上品な餡が、柔らかく伸びがある餅にたっぷり詰まった贅沢な和菓子でいっぺんに幸せな気分になれました。ぺろりと一つ食べ終わり、緑茶をすするとほっこりした気分になれました。少し小ぶりなので、良く食べる私なら2個はあっという間に食べれてしまいそうでした。

私は甘党ですが、甘すぎるお菓子は苦手なので餡にしても甘さ加減にはうるさい方です。あれだけ餡がぎっしり詰まっているのにくどくない、餅との比率がいいと思いましたし、そんな私が美味しいと思える甘さだったので、絶妙な甘さなのだと思います。

友人宅へのお土産として購入していたので、その後友人宅へ持っていきましたが友人も同じことを言っていました。友人は柏餅と一緒に飲むと美味しいだろうと玉露のお茶を入れてくれました。

玉露とも相性ばっちりでした。高輪にあんな穴場な和菓子屋さんがあるとは思わなかったので、徳した気分です。柏餅はやはり季節のお菓子なので、美味しい時期にいただくのが一番です。今年の春は上等な柏餅をいただいた気分です。

来年のこの時期もまた頂きたいなと楽しみに思える、そんな柏餅です。