中村昌宏の和菓子話

中村昌宏が気ままに和菓子について書いていこうと思っております。東京(五反田,高輪など)の懐石料理店にて修行後、和菓子職人に。

美味しかったという言葉が聞けるのが中村昌宏の幸せ

和菓子店を運営するようになって、
なかなか直にお客様からの声を聞かなくなってしまった現在。

それでも、中村昌宏の名前を申付けて下さって、
わざわざ前回食べたものの感想を述べてくれるお客様がいます。

 

こうした「わざわざ」というのが、本当に有り難い。

「美味しかった」

その言葉が聞けるだけでも、私は幸せなのです。

お客様との会話が楽しめた割烹時代。

今でも懐かしく思うこともありますし、
そのまま続けていたら、自分はどのようになっていたのだろうと思うこともあります。

でも、後悔はしていないのです。

 

60代になって、残りの人生を考えると、
やりたいことを残したくないという思いがこみ上げてくるのです。

だからこそ、今では小さなお店を自分で構えるようになっています。

それは、自分の責任で作ったものに対して、
心から「美味しい」という言葉が聞きたかったのです。