中村昌宏の和菓子話

中村昌宏が気ままに和菓子について書いていこうと思っております。東京(五反田,高輪など)の懐石料理店にて修行後、和菓子職人に。

五反田の和菓子だるま:草だんご

五反田の和菓子店だるまとの出会い

五反田の目黒不動へお参りに行きました。目黒不動に足を運ぶのはかなり久しぶりでしたが、お参りし終わり小腹がすいたなぁと思っていると、目の前にレトロな和菓子屋さんを発見しました。そういえば、お参りの行き帰りによくお団子を食べている人を見かけるなと思っていましたが、この店だったんだなと合点がいきました。

和菓子だるまと書いてあり、なんだかおめでたいお店だなと思いながら小さな店頭に足を運びました。おそらく何度もこのお店の前は通っているのですが、不思議なことに全く気が付きませんでした。

店の中は既にかなりの商品が売り切れていましたが、草団子を見つけました。餡子がとにかく好きなので、迷わずこれだと思い草団子を購入しました。年配のご婦人が接客してくださいましたが、温かみのある人でこの方目当てに和菓子を購入する人も多いのではないかなと思わせる人柄のように見受けられました。行き帰りで見かけた人たちのように、私も歩きながら草団子をいただくことにしました。

古き良き時代を感じさせる五反田だるまの草団子

餡子がこれでもかとずっしり乗っていて、餡子好きにはたまりません。落とさないように気を遣いながらパクリと一口。とても素朴で懐かしい味に思わず顔がほころびました。餡子の甘さがちょうど良くて、団子はとても柔らかかったです。草団子のヨモギでしょうか、草の香りもとても良くて風味豊かなお団子だなと感じました。見た目はけっこうなボリュームのように思われましたが、食べやすさもあってか2本買いましたがぺろりと食べてしまいました。すぐに緑茶が飲みたくなり、近くの自販機で緑茶のホットを買いましたが、渋い緑茶によくあいました。

とても久しぶりに草団子を食べましたが、とってもおいしく頂きました。五反田に行く際には、必ず和菓子だるまをのぞくようになりました。草団子が忘れられないので毎回他の和菓子を購入しようと思いながら、草団子を購入してしまいます。これからも昔ながらの味を残していっていただきたい、そんな思いになる美味しい草団子のお店です。